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ブロンディ
ロックフォトグラファー、ボブ・グルーエンの思い出話【8】

初出 Tokyo Journal #176 reprinted courtesy of Tokyo Journal 撮影/Bob Gruen

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70年代、80年代のロックスターたちとの日々を綴ったエッセイを、編集部が厳選してご紹介!全9回を1話ごとに平日連日配信

英字雑誌Tokyo Journalにて連載された、世界的ロックフォトグラファー、ボブ・グルーエンの大好評ロックエッセイを、同誌編集部のご厚意により日本語バージョンでお届けします。
本連載では、世界中のロックスターたちに愛されたボブ・グルーエンの幅広い交友ぶりにフォーカスを当てました。
今年発売されたばかりの、ボブ・グルーエン初の自伝『ライト・プレイス ライト・タイム あるロック・フォトグラファーの回想』(ジーンブックス)の中でより詳しく語られるエピソードもありますので、本書を片手に読み比べつつ、ロック黄金期の回想ドキュメンタリーをお楽しみください。

<第8回>ブロンディ

Blondie

編集者のリサ・ロビンソンからスティレットというバンドの撮影を頼まれた時のことは、今でもよく覚えています。彼女が言うには、リードシンガーが大変な美人でスターになること間違いなしということでした。そして実際にデビー・ハリーを観て、まさしく彼女の言う通りだと思ったものです。その直後にデビーがギタリストのクリス・スタインと結成したのがブロンディでした。
当初、ブロンディはよくマクシズ・カンザス・シティに出演していて、私も撮影したことがあります。ある時、デビーがトラ柄のドレス姿だったことがあったのですが、その衣装は自動車のシートに使う布地からデビーが自分で仕立てたもので、この時の写真はよく知られるものになりました。
ブロンディのメンバーとは次第に親しくなり、ある時撮影のためにスタッテン島で屋外ロケをしたことがありました。みんなでフェリーに乗り、ニューヨークの摩天楼をバックに写真を撮ったのです。
当時のブロンディにとってはバンド全員での写真が重要でした。というのもデビーばかりに注目が集まっていたからです。そのため彼らはブロンディがバンドであることをグッズや広告でもアピールしていました。
1977年にはイギー・ポップのツアーにブロンディがサポートとして起用されました。トロントでの公演に顔を出した時、デビーはこのツアーがブロンディが成功するきっかけになると話していました。私は楽屋でデビーがイギーと話しているところや、メンバーの衣装にアイロンをかけているところを撮影しました。
ある時、雑誌でフォトストーリーをやることになり、デビーや他のパンクスたちと、一日かけてコニーアイランドで撮影しました。ローラーコースターを背景にした写真もこの時のもので、デビーの写真の中でもとりわけ知られているものです。
ブロンディは世界的な成功をつかんだ後、1980年代初めにクリス・スタインが重い病気にかかってしまい、しばらくの間活動停止を余儀なくされました。その後、クリスは回復し、メンバーを変えて活動を再開しています。2009年にはウッドストックでレコーディング中の彼らを撮影しました。
2016年には有名なキュレーターのジェフリー・ディーチがブロンディ結成40周年のイベントをチェルシーホテル・ギャラリーで開催し、そこでは私の写真も展示されました。今でもメンバーの皆とは親交があり、彼らの今後の活動も楽しみにしています。

▶︎第9回

『ライト・プレイス ライト・タイム あるロック・フォトグラファーの回想』

世界で最もロックを撮った写真家、ボブ・グルーエン初の自伝。250枚超のロックレジェンドたちの写真を掲載した永久保存版!

ジョン・レノン、ボブ・ディラン、ミック・ジャガー、エルトン・ジョン、セックス・ピストルズ、キッス…伝説的ミュージシャンたちとともに1960年代から半世紀以上を歩んできたロックフォトグラファー、ボブ・グルーエン初の回想録『ライト・プレイス ライト・タイム あるロック・フォトグラファーの回想』が遂に日本上陸。
本書では、被写体となったアーティストとの逸話をはじめ、ロックの黎明期より活動してきた著者ならではのエピソードが満載。1970年代よりたびたび訪れた日本の思い出なども存分に語られます。
カラー多数含む250点超の写真を掲載した永久保存版です。

【書誌情報】

書名:ライト・プレイス ライト・タイム あるロック・フォトグラファーの回想
著者:ボブ・グルーエン/デイヴ・トンプソン
訳者:浅尾敦則
仕様: A5判(210×148mm)/ソフトカバー/500頁
価格:3,850円(本体3,500円)
ISBN:978-4-910218-07-6
発売日:2024年8月
発行元:ジーンブックス/株式会社ジーン

▶︎詳細・ご購入はこちら

刊行記念ボブ・グルーエンインタビュー配信中!

クレイジーな時代にロック写真家として生きるために見出した「音楽業界のサバイバル術」——ボブ・グルーエンインタビュー<第1回>

https://books.jeane.jp/article/interview_bobgruen_1/

ボブ・グルーエン(Bob Gruen)

Profile

ボブ・グルーエン(Bob Gruen)

1945年ニューヨーク州生まれ。ロック・フォトグラファーの草分けにして第一人者。1970年代初頭にプロの写真家として独立してからは多くのミュージシャンと親しくなり、とりわけニューヨーク移住後のジョン・レノン、オノ・ヨーコとは密接な交流を持った。また英米のパンク、ニューウェーブを当初より記録してきたことでも知られる。日本とのつながりも深く、70年代よりたびたび来日し、一時は東京に居を構えていた。2017年には写真集『ROCK SEEN』(SMASH)が日本でも刊行され、あわせて写真展も開催された。ニューヨーク在住。

「キッス」——ロックフォトグラファー、ボブ・グルーエンの思い出話【7】 「ジョン・レノン&オノ・ヨーコ」——ロックフォトグラファー、ボブ・グルーエンの思い出話【9】
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