70年代、80年代のロックスターたちとの日々を綴ったエッセイを、編集部が厳選してご紹介!全9回を1話ごとに平日連日配信
英字雑誌Tokyo Journalにて連載された、世界的ロックフォトグラファー、ボブ・グルーエンの大好評ロックエッセイを、同誌編集部のご厚意により日本語バージョンでお届けします。
本連載では、世界中のロックスターたちに愛されたボブ・グルーエンの幅広い交友ぶりにフォーカスを当てました。
今年発売されたばかりの、ボブ・グルーエン初の自伝『ライト・プレイス ライト・タイム あるロック・フォトグラファーの回想』(ジーンブックス)の中でより詳しく語られるエピソードもありますので、本書を片手に読み比べつつ、ロック黄金期の回想ドキュメンタリーをお楽しみください。
<第1回>日本の皆さまへ
日本の皆さまこんにちは! この場をお借りして皆さんにお話しできる機会が持てたことを嬉しく思います。まずは私のキャリアの足がかりとなった写真の話から始めましょう。
1950年代に育った私にとって、ロックンロールに初めて接したのはラジオを通じてであり、たちまち夢中になりました。60年代末にハイスクールを卒業するとロックバンドのメンバーと同居するようになり、彼らを撮影するようになったのがフォトグラファーとしての私の活動の始まりでした。そうして撮った写真がレコード会社に採用され、他にも撮影の仕事が転がり込むようになったのです。
1972年には数多くのレコード会社の仕事をこなすようになっていました。同じ年には『The Photography of Rock』という本で私の作品が取り上げられたのですが、これはロックの写真集としては初めてのものです。その本に私の経歴を載せたいとのことでライターの取材を受けたのですが、彼は私の写真を高く評価してくれました。そして彼の好意で、ジョンとヨーコに引き合わせてくれたのです。私が撮った写真をジョンもヨーコも気に入ってくれて、彼らの次のアルバムに使ってくれました。それからは仕事に忙しい毎日を送るようになったのです。
その本で私が選んだのはアイク&ティナ・ターナー、チャック・ベリー、リトル・リチャード、ジョン・レノン、ヨーコ・オノ、ビーチ・ボーイズ、ボブ・ディラン、アリス・クーパー、エルトン・ジョンといった人々の写真でした。この他にもたくさん好きなアーチストがいますので、そうした話もここで出来ればと思っています。
▶︎第2回
『ライト・プレイス ライト・タイム あるロック・フォトグラファーの回想』
世界で最もロックを撮った写真家、ボブ・グルーエン初の自伝。250枚超のロックレジェンドたちの写真を掲載した永久保存版!
ジョン・レノン、ボブ・ディラン、ミック・ジャガー、エルトン・ジョン、セックス・ピストルズ、キッス…伝説的ミュージシャンたちとともに1960年代から半世紀以上を歩んできたロックフォトグラファー、ボブ・グルーエン初の回想録『ライト・プレイス ライト・タイム あるロック・フォトグラファーの回想』が遂に日本上陸。
本書では、被写体となったアーティストとの逸話をはじめ、ロックの黎明期より活動してきた著者ならではのエピソードが満載。1970年代よりたびたび訪れた日本の思い出なども存分に語られます。
カラー多数含む250点超の写真を掲載した永久保存版です。
【書誌情報】
書名:ライト・プレイス ライト・タイム あるロック・フォトグラファーの回想
著者:ボブ・グルーエン/デイヴ・トンプソン
訳者:浅尾敦則
仕様: A5判(210×148mm)/ソフトカバー/500頁
価格:3,850円(本体3,500円)
ISBN:978-4-910218-07-6
発売日:2024年8月
発行元:ジーンブックス/株式会社ジーン
▶︎詳細・ご購入はこちら
刊行記念ボブ・グルーエンインタビュー配信中!
クレイジーな時代にロック写真家として生きるために見出した「音楽業界のサバイバル術」——ボブ・グルーエンインタビュー<第1回>
(https://books.jeane.jp/article/interview_bobgruen_1/)

Profile
ボブ・グルーエン(Bob Gruen)1945年ニューヨーク州生まれ。ロック・フォトグラファーの草分けにして第一人者。1970年代初頭にプロの写真家として独立してからは多くのミュージシャンと親しくなり、とりわけニューヨーク移住後のジョン・レノン、オノ・ヨーコとは密接な交流を持った。また英米のパンク、ニューウェーブを当初より記録してきたことでも知られる。日本とのつながりも深く、70年代よりたびたび来日し、一時は東京に居を構えていた。2017年には写真集『ROCK SEEN』(SMASH)が日本でも刊行され、あわせて写真展も開催された。ニューヨーク在住。